今春、開院5年の節目を迎えます。私が専門にしてきた心不全という病気は、現在の医学ではまだ「なおす」ことができない病気です。次第に進行していきやすく、出来るだけ調子を崩さないよう工夫しながら、病気とともに生きていくことを考えることが重要な病気です。生活の中での管理が重要であり、患者様ご自身やご家族がより快適に過ごせるよう生活の質（QOL）を改善することも治療の大きな目的です。私が長らく大学病院や急性期病院で多くの心不全患者様と接してきて感じることは、やはりご自宅で生活する患者様やご家族の生活に寄り添い、患者様によっては人生の最終段階まで関わり、最期を見届けさせていただきたいということでした。「その人らしい人生を」を目標に患者様に寄り添い、ご家族、地域の皆様とともにかかわっていきたいと考えています。