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【コラム】ウイルスと心臓
インフルエンザをはじめとするウイルスは、まれに心筋炎をおこすことがあります。
コロナウイルスでは約0.01%(171,481人中256人)といわれています(※1)が、
一般的にほかのウイルスでも心筋炎の報告はあります。
従来、感冒症状をきたすウイルス感染が先行する経過もみられます。パルボウイルスB19、
ヒトヘルペスウイルス6,アデノウイルス、コクサッキーウイルスB3などで急性心筋炎や慢性の心筋炎の報告があります。
心筋炎の特別な症状はなく、感冒症状(呼吸器症状、消化器症状)と心臓の症状(胸痛・息切れ・ 動悸など)に大別されますが一緒に出る場合もあります。
通常の感冒症状のみではなく進行する息切れや呼吸苦が出る場合は採血やレントゲン心電図、心臓エコーなどが可能な医療機関を受診がおすすめです。
~持病で心臓の病気をお持ちの方へ~
心血管疾患の既往がある方は、インフルエンザに感染すると心臓や血管への負担が増し、心筋梗塞や脳卒中などの危険性が増すといわれています。体の炎症は血液の凝固を進め、その結果血栓が形成されやすくなる場合があります。このため、心血管疾患を有する方へのインフルエンザワクチン接種はガイドラインでも推奨されています。
また、ワクチン接種によってインフルエンザ感染の予防だけでなく、心血管イベント(心筋梗塞や脳卒中)のリスクも減少することが近年の大規模メタ解析示されています。(※2)
持病のあるかたのワクチン接種の相談は医療機関にお問い合わせください。
監修
ゆみのハートクリニック三鷹 院長
鈴木 豪
※1:J Am Coll Cardiol 2021; 77: 3037. PMCID: 8091234
※2:Eur J Heart Fail. 2023 Sep;25(9):1685-1692
Influenza vaccination and cardiovascular events in patients with ischaemic heart disease and heart failure: A meta-analysis